
取材用カメラ
■ 取材用カメラの遍歴
取材用カメラといっても報道を目的としたものでなく、研究レポートの作成を目的としたものですが、報告書に入れる写真撮影のために使い始めた一眼レフはT-70
(CANON)
でした。そして薄暗がりでのピントの合わせ難さからEOS 5QD
(CANON)に更新しました。EOS 5は28-105mm(カメラ本体ともで約1,100g)と100-300mmのズームレンズ(単体で約500g)を一緒に入手しました。そしてバッグに入れて持ち歩いていましたが、望遠ズームレンズの使用頻度は低く、いつしか住処に置いたままとなりました。
デジタルカメラの画質向上とともに、CoolPix
950、CoolPix 4500を取材用カメラとして使うようになり、EOS
5はフィルムとして残して置きたい時とか、かなり限定した使い方となりました。
取材用のデジタルカメラとして意識して入手したのはFinePix
S9000。このカメラはEOS 5の2本のズームレンズをあわせた撮影範囲をカバーし、EOS 5QDから流用のワンハンドストラップをつけても800g。寸法は奥行こそ
EOS
5QD と 28-105mmを組合せた150mmとあまり変わりませんが、幅・高さはともに25mm短くなり、携帯性がアップしました。更にEOS
5QDではフィルムが荷物に加わっていた訳ですから・・。また、動画撮影にも対応することから大容量のマイクロドライブと予備バッテリを用意すれば、ビデオカメラの持ち運びを軽減することもできます。
一方、カメラは常時携行に負担にならないことが重要です。著者は広角側を重視していて35mm判換算28mmで加えて手振れ補正機能の内蔵で低シャッター速度にも強いFinePix
F100fdを入手し、ジャケットのポケットに納まるサイズで、S9000の画質面もあってF100fdが常用のカメラとなり、その延長でF200EXRを使い、さらに同24mmの広角に対応するF300EXRが取材用のカメラとなりました。
なお、カメラを見て「これで大丈夫?」と思われる場合もありますのでPENTAX K-7はそのような時に効果を発揮してくれます。
■ 取材用カメラの要求条件
取材用カメラの要求条件は整理して考えるとメモ用カメラと同じく次の枠内のものとなります。記録の道具としてカメラを見ていますので、「ボケ味が・・・」といった芸術的な観点は二の次となります。FinePix
F300EXRは広角側が35mmフィルム換算24mmからで、300万画素が画質的に無理のないところで色の深みで少し物足りない面がありますが、「記録用ならばこれでいいか・・」になっています。
- 露出の不適正、ピンボケ、手ブレなどの撮影の失敗が少ない(AE、AF、手ブレ低減機構の塔載や高感度撮影対応による高速シャッター化。カメラを安定して構えられるデザイン)
- シャッターチャンスに強い(カメラを取り出して電源ONして撮影できるまでの時間が短い。
続けて撮影する場合のシャッターを押せるまでの時間が短い)
- ストロボ禁止の場所で一定のクオリティの画像が得られる
- 画素数は400〜500万画素あれば十分。それより高画素のものはトリミング余裕にもなる。
- 撮影結果が確認しやすい(画像の再生速度が遅くないこと。モニターでの露出の具合やブピンボケ、ブレのチェックが可能なこと)
- 下がることのできない場所で全体をとりたいこともあり、広角に強いこと。一方、望遠側はデジカメの画素数が多くなってきた今日、トリミングして擬似望遠の絵が得られることから相対的に重要さは低くなっている。(35フィルム換算で28(理想的には24)〜70mmのズーム範囲がおさえられていればほとんどの撮影に対応できる)
- 近接撮影への対応(35mmフィルム換算で0.3倍程度は欲しい)
- 電池交換なしでの撮影枚数が多い(フル充電で200枚以上撮影できることが望ましい)
- メディアの交換なしで200枚以上撮影できる(記録媒体の高容量化、低価格化でこの面は以前ほどの制約はなくなっている)
- 多少ラフな取扱いも気にならない価格
- モニター画面を動かすことで様々な撮影姿勢に対応できる
- メモ用カメラほどの小型・軽量化は要求されないが、1.〜11.の項目が満足される範囲でサイズ・重量は小さく、軽い方が望ましい。
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