
MALM (IKEA)
Made in Czech Republic
【家具のデザインについて】
家具のデザインは一般に、全体のプロポーション自体がひとつのまとまりとなります。このため、例えば「いすの座面が高いから」と脚を短くしてしまうと、デザインを損ねてしまうこともあります。本製品もデザイナーによるものです。しかし、機能ありきのデザインであることから、右記のように幅を狭めて縦横比を変えてもデザインを損ねてはいないようです。
IKEAの家具が日本に最初に紹介された頃、白木の北欧デザインということを前面に出して販売されていたように記憶します。本国では
新しく生活をスタートさせる若い世代層を対象に安価に販売されているという記事を読んだことがありますが、日本での価格は決して安いものではありませんでした。
当時の為替レートのためだったか、あるいは日本の家具の流通業界がそれを許さなかったのか・・。 |
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衣類の整理のために、チェストの容量増を含んだ更新を計画し始めました。最初は「(高いと圧迫感が増すため)高さ70cmまで、(室内の柱型との収まりの関係から)奥行きは45cmまで」と考えていました。また、「床に近い部分は10cmくらいの空間があると、照明器具を仕込んで間接照明を楽しめるかな」などとも考えていました。しかし、イケア船橋でMALMシリーズの3段チェス
トを見て、気が変わりました。
本製品は好みのシンプルなデザインで、幅80cm(実測では突き板の厚み分か、80.3cmで若干大きい)、高さ78cm、奥行き48cm。天板は23mm厚で全体のつくりもしっかりしていて37kg(→ 一人で持ち運べるギリギリの重さ!)。定価12,900円
でこれでも充分安いと思いますが、期間限定で9,900円で販売されていました。そして考えていた制約は全て吹っ飛びました。
(価格の影響は大きい!)
天板や引き出しの前面はビーチ材突き板の上にアクリル塗装で、ミディアムブラウンは写真のように木地の色むらが見られますが、これも天然材による味。組立人件費は入っていないのですが、販売価格がちょっと信じられない製品の仕上がりです。
引き出しにあわせて設計されているKOMPLEMENTのボックス6個セット(990円)を入手しましたが、ハンカチや靴下などの小物の整理に重宝しています。
【DIY】
写真の3本のチェストの収まっている場所は幅240cmで、しかも、左の壁と接する部分にはコンセントがあり、そのままでは3本
納まりません。左端の1本は私が加工して幅を狭くしたもので、これができるのがキット家具のよいところです*。
2本のチェストは慎重に組立てて各2時間ほどで組立完了しましたが、幅を6cm狭めることとした1本は加工の計画、墨出し、切断、ドリル穴明けなどをして
からの組立で道具の準備もあり、時間がかかりました。しかし、準備がよければ1日位の作業量と思います。
道具としては5mm、6mmの木工用ドリル(兼用のドリルは墨とずれるため不可)は必須。15mmの木工ドリルがあれば途中までの穴明けに利用できますが、最終深さまで15mmのドリルであけようとすると仕上げ面にドリルの先端が突き出てしまうため、途中まで利用して以深は彫刻刀で削るのが無難です。その他、定規、ノコギリ、カンナ(ヤスリ)を使いました。
久しぶりの楽しい大工仕事となりましたが、これができない人のために販売店のオプションとしてチェストの幅をつめる加工が加われば、セミオーダー家具的でより製品の魅力が増す
と思います。
*:本製品には地板(各引き出しの間の仕切り板)はありませんが、やろうと思えば自分で作れそうです。
なお、背面の掃除が楽にできるように、既製品のキャスターを物色して下部に仕込もうと考えています。 |